ようつべで旅動画等をよく見るのですが、有名な動画投稿者は大体三大都市圏の居住者であり、他の地域はその方々の訪問の動画が多いので仕方ないのですが、特に九州山陽四国は自分等地元の人の方が詳しく、間違っている点や疑わしい点などをよく見かけます。しかも堂々とした発言なのが…(汗)
(逆に自分も東日本に関してはちんぷんかんぷんなことを書いているのでしょうが)

その内、特に九州や山陽に関しては自分が住んで日常的に見たり乗ったりしていたわけで、特に間違いが気になってしまいます。

これまでは「まぁ他地域の人だからね」と流していたのですが、先日885系(というか特急かもめ)に関する動画を見て、どうも違和感を覚えました。

なら自分がブログで紹介解説しようじゃないか!
…となったわけです。
やっぱり教師に担当科目があるように、こういうものは現地のファンの方が正しく詳しいものなのです。

今回は自分のホームグラウンド、北部九州の2大特急、主にソニックかもめの車両3形式に関して自分流の座席の選び方を紹介していこうと思います。
(ぶっちゃけあまり広くは教えたくないのですが、誤った情報が流れるよりは……特急かもめも残り短いですし)

なお、この記事は2022年6月現在までの個人の乗車経験や駅で車両を実際に見て確認したことで書いています。今後改造やリニューアルをされたりなどで変わる場合がありますのでご注意下さい。



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まず、ソニックかもめについてサクッと解説。

ソニックは主に博多~小倉(北九州)~大分を結ぶ特急列車です。白(885系)と青(883系)の2種類の車両が走っています。
元々「にちりん」でしたが、青い新型車両運行便を分離し改称したものです。
他地域で言う「スーパー○○」みたいなものです。

(なので基本はこの2形式運行便が「ソニック」、他形式が「にちりん」となります)

かもめは主に博多~佐賀~長崎を結ぶ特急列車です。主に白(885系)と黒(787系)の2種類の車両が走っています。
2022秋、西九州新幹線の部分開業により武雄温泉で新幹線に接続する「リレーかもめ」となることが決まっています。


続きまして、ソニックかもめで運行されている車両について。
代走で例外があるのですが、基本的には

・両方で運行されている白い885系
・ソニック専用の青い883系
・主にかもめ(とにちりん)で走る黒い787系
※885系は白だと目立たないのでかもめ帯から黄色にしてみました

この3種類があります。
みどりハウステンボスをメインにごく一部のかもめで運行される783系は今回は置いておきます。
グリーン席、指定席に自由席も紹介しますが、ネット予約で乗車機会の多いであろう指定席を中心に、優先的に解説していきます。

ではいきましょう。



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885系
885系はかもめ編成とソニック編成の2種類があり、外観内装それぞれ違う点があるのですが、元々黄帯だったかもめ編成もソニック編成同様の青帯に統一されて運用は共通化されていますので違いに関してはまたの機会に。
(語っちゃうと長くなりすぎますし…)
細かい違いは多々あれど、一般の乗客が気にするほどではありません。
「顔の雰囲気とロゴが少し違うな~」くらいで大丈夫です。
時刻表には「白い(特急愛称)で運転」と注意書きがあります。

共通したことはフリーWi-Fiがあり、1,3号車は窓側にコンセントが設置されています。
2号車は全席にコンセントがあるのですが、設置箇所の形状の都合により刺さらない場合もありますのでご注意下さい。
他形式と比べてデッキ(乗降口付近のスペース)が広く、縦長の窓があったりと気分転換も楽しい車両です。
ただし、テーブルが小さいのが他形式と違う一番の欠点でしょうか。
とはいえ駅弁くらいであれば困らないと思います。
他形式と比べて客室窓も若干小さいですが、全然困りません。
ただ振り子式車両(カーブで車体が通常車両より傾きます)のためか、暴れ馬やレースのような乗り心地は好みが分かれます。
結構揺れます

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(かもめ編成1号車グリーン席)
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(かもめ編成1号車普通席)
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(かもめ編成1号車枕カバー設置革座席)
1号車は半室ずつに分かれていまして、運転室側がグリーン席、反対側が普通席となっています。
グリーン普通席どちらも窓側にコンセントがあります。
グリーン席は革張り席となっていますが、普通席の革よりは滑りにくく感じます。(とは言え少しは滑るのですが)
また、全席独立しており、隣の席だけ向きを変えることもできます(あまり意味ないですけど)

1号車普通席は基本革張り席、一部編成は布座席に変更されています。
同じ革座席でも写真のように枕カバー有無などの差もあります。
昔は6号車まで全席革張りでしたが、座席の老朽化のためか、滑りやすく苦情が多かったのか1号車のみにまで減ってしまいました。
(グリーン席乗車記)
(1号車指定席乗車記)※7/19更新

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(かもめ編成2号車指定席)
2号車は布張り席に変更されています。
また全席にコンセントがありますが、前述の通りプラグ付近の形🔌によっては刺さりません。
どうしても使いたい場合は100均で短い延長コードを買えば確実に使えますが、そこまでするかは…(汗)
(2号車のコンセントは20年以上前の登場時からありまして、その間に個人の充電器の形が変わったのが原因でしょうけど…)
(2号車指定席乗車記)

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(かもめ編成、布に変更された1号車座席。写真代用)
3号車も布張り席に変更されています。
1号車同様窓側にコンセントがあります。
ソニックでは博多行は小倉→博多間自由席となることが多いです。
※大分から小倉で本州方面新幹線乗継の客や、福北間の特急需要が多いため
それゆえに乗車機会が少なく、写真は代用ですが、2号車の布座席(コンセントなし)に1号車同様窓側にコンセントという座席です。
(写真の1号車座席は布に変更されていますので3号車座席と違いはほぼ無いのですが)

4~6号車は基本自由席となっていまして、全て布張り席に変更されています。
座席の形状は他号車と変わりません。
コンセントはありません。(あっても業務用)
2,3号車の座席でコンセントなしという感じです。


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革張り席が好きなら1号車(ただし運次第)、布張り席が良いなら2,3号車、コンセントを確実に使いたい場合は窓側席もしくはプラグの形によっては2号車も可という感じでしょうか。



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883系
883系はソニック専用です。
顔が3種類あったり、元5両だった編成には885系ベースの車両が組み込まれていたりします。
1,3号車と一部の4,5号車を除き元々向かい合わせのボックス席があった都合で窓配置が特殊であり、車窓が見づらい席もありますのでご注意下さい。
指定席券売機ですとその注意書きも表示されます。
基本指定席となる1~3号車は窓側席にコンセントがあります。
普通席全席にフットレスト(足置き)がありましたが、先頭列を除いて現在は撤去されています。
また、座席が「ハハッ」と聞こえてきそうな形をしているのも特徴です。おっと誰かが来たようだ?
885系同様振り子式車両のためか、暴れ馬のような乗り心地は好みが分かれます。
885系同様結構揺れます

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(883系グリーン席)
1号車は885系同様半室ずつになっていまして、運転室側がグリーン席、反対側が普通席となっています。
グリーン席は革張り、普通席は布張り席です。
窓側席にコンセントがあります。
グリーン席は電動リクライニングです。
普通席は他号車と同じ形状で、窓割りの合ってない席がありません。
(883系グリーン席乗車記)

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(883系2号車普通席)
2号車は同じく布張り席です。前述の通り窓側席にコンセントがありますが、一部窓割りの合ってない席があります。

3号車も同じく布張り席です。窓側席にコンセントがあります。窓割りの合ってない席がなく、半室でもありませんので座席数も多くておすすめです。
ソニックでは博多行の小倉→博多で自由席となることが多いのでご注意下さい。

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(883系5号車普通席)
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(883系自由席のカオス色タイプ)
4~7号車は基本自由席で布張り席です。
座席形状は指定席と変わりませんが、コンセントはありません。
一部窓割りの合ってない席があります。
車両毎、たまに座席毎に色が違いますのでお好きな色を探してみてください(笑)
写真のようなカオスな色の席もたまに現れます(笑)
(883系自由席乗車記)

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(883系一部の4,5号車普通席)
なお、一部編成の4,5号車は885系ベースの車両となっていまして、座席の形も異なっています。
885系ベースですが布張り席となっていまして、窓割りの合ってない席がありません。
乗れたら少しラッキーですが、885系同様テーブルや窓が小さいのが欠点でしょうか。
個人的に座り心地は885系の布張り席より好みだったり。


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883系は窓割りの合ってない席にさえ気を付ければ(一部の4,5号車とコンセントを除き)どの号車もあまり変わりません。
自分としては確実に窓割りが合っている1,3号車がおすすめです。
2号車も中央付近を避ければ特に問題はありません。



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(特急36ぷらす3)
787系
787系は大きく分けると3種類あります。
・元つばめ(と一部元有明)の長い6,7,8両編成(BM編成)
・元有明の短い4両編成(BO編成)
・36ぷらす3専用編成(BM363編成)
の3種類です。
かもめは基本7両(繁忙期は8両)、にちりん(シーガイア)は基本6両と4両で運行されています。

今回は6,7,8両編成をA編成、4両編成をB編成として紹介していきます。(BM,BOですと専門的ですので…)
36ぷらす3については今回は省略します。
A編成B編成は便宜上このブログ記事でのみ使っています。JR関係者に言っても伝わりません。

なお、車体傾斜(振り子)式車両が苦手な場合は787系一択です。(783系も非振り子ですが)
883,885系と比べてどっしりとした安定感ある乗り心地です。全く揺れないわけではありませんし、区間によってはまぁまぁ揺れますが。

また、787&783と883&885ではグリーン車は2-1配置ながら配置が逆となっていますのでご注意下さい。
783&787はC席(1号車先頭で進行方向右側)、883&885はA席(1号車先頭で進行方向左側)が1人席となっています。


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787系A編成(BM編成)
6,7両編成でかもめとにちりんシーガイア、一部にちりんで運行されています。
きらめきやみどりでも便によっては運行されています。
時刻表には「DXグリーン」や「グリーン個室」の表記があります。

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(787系DXグリーン)
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(787系グリーン席)
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(787系グリーン個室)
1号車は全室グリーン席となっていまして、DXグリーン、グリーン、グリーン個室に分かれています。
DXグリーンには窓側にコンセントがありますが、グリーン席にはありません(でした。2018/3乗車時)
個室は未乗車のため確認できていません。
DXグリーンは電動リクライニングで天井が見えるほど傾きます。
レッグレストもありまして、ほぼベッドのよう。
グリーン席は背もたれが特殊で折れるようになっていまして、これまた良い座席です。
さすがはJR九州のフラッグシップトレイン。
(787系DXグリーン乗車記)※にちりん
(787系グリーン乗車記)※有明

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(787系普通席)
普通席は次に紹介する車両以外(2,5,6,7号車と7,8両編成3号車、6両編成4号車)は布張り席でフットレストと荷物置き場があります。
コンセントはありません。
かもめでは2,3,4号車は基本指定席です。

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(元ビュッフェ車両普通席と客室)

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(元ビュッフェ車両コンパートメント席)
かもめ(7,8両編成)4号車とにちりん(6両編成)3号車は元ビュッフェ車両からの改造車です。
かもめやにちりんでは基本指定席となっています。
この車両は、4人用コンパートメント席885系ベースの布張り座席(普通席)に分かれています。
コンパートメント席はボックス席になっており、大きなテーブルもありますのでグループでは最適です。
一方普通席は窓がとても大きく(例外席あり)座席間隔がとても広い(グリーン席並かそれ以上)代わりに座席上に荷物棚がなく、テーブルも小さく、窓割りの微妙な席がありますのでご注意下さい。
フットレストはありません。
(3号車普通席乗車記)※きらめき(6両編成)自由席
(4号車コンパートメント席乗車記)※かもめ自由席


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(かもめは繁忙期には8両編成で運転されることも)
一般的に乗り鉄から乗り得とされているのは元ビュッフェの普通席ですが、前述の通り座席上の荷物棚がありません。
元ビュッフェ車両以外は荷物棚に加えて客室中央に荷物を置くスペースがありますので、荷物がある場合は元ビュッフェ車両以外がおすすめです。
DXグリーンの窓側席以外はコンセントがありませんのでご注意下さい。


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787系B編成(BO編成)
4両編成でにちりんやひゅうが、きりしまで運転されています。
基本大分以南の日豊線での運行であり、かもめでもソニックでも定期では運転されませんが、1日1往復のみ小倉まで乗り入れますし、A編成との違いの説明のため、せっかくですので取り扱います。
(ちなみに過去にはソニックの代走で博多まで走ったこともあります)

1号車は半室グリーン、半室普通席に分かれています。
運転室側がグリーン席、反対側が普通席です。
他の半室ずつの形式と異なり、出入り口は車両中央ではなく2号車寄りにあります。
そのため、グリーン席から乗降口やトイレまでが少し遠くなっています。
グリーン席普通席共に窓側席にはコンセントがあります。
座席形状はA編成と同じです。

2~4号車は元つばめ編成(元々9両編成だったそう)の余剰車からの組換え(&先頭車化改造車)が多いようで、A編成の普通席とあまり変わりません。
コンセントもありません。
(787系B 2号車普通席乗車記)※臨時にちりん
※小倉大分間の繁忙期臨時便、1号車が乗り得だと知らず2号車乗車

乗るなら1号車一択ですね。



以上、885系,883系,787系の詳細でした。


乗り心地の787系、独特な世界観な883系、便利な885系という感じでしょうか。

振り子が苦手ですと787系のかもめやにちりんシーガイア(ゆふもありますが料金,時間共にあまりおすすめはできません)、コンセントを使いたければ885系と883系に787系B、コンセントにWi-Fiもとなると885系となります。

自分は初めやタイトルにも書きましたし、乗車記を見ていただければ分かる通り885系大好きな乗り鉄です(笑)


自分が乗るときは885系ならソニックもかもめも1号車A席、883系なら1,3号車A席(もしくは2号車中央付近を避けてA席)を取りがち、787系Aは号車希望なしのA席、787系Bだと1号車A席でしょうか。
鹿児島線熊本方面の特急無き今、車窓が良いのは基本A席なんですよね。


おまけにその車窓について。
個人的にはソニックもかもめも海が見れるA席がおすすめですが、D席でも佐賀の脊振山や博多の街並み、別府の湯けむりなどが楽しめます。
山側なことが多いですし、時間帯や区間にもよりますが、日光が当たりにくいのはD席かなと思います。
進行方向左側ですとすれ違う列車に驚かずに済みますが、ソニックは小倉で進行方向が変わりますので何とも言えません。(強いて言えば博多小倉間より小倉大分間の方が長いのでこの区間に合わせるのがおすすめでしょうか)


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長崎線の肥前鹿島より南を走るかもめに乗れるのは新幹線開業前までの残り僅かな期間となりました。
後悔のない乗り鉄ライフを。


あ、きっぷに関しては2枚きっぷもしくは九州ネットきっぷ、早く予約できる場合や寝過ごしなどの心配がなければネット早特3,7がおすすめです。
これを使うと自由席の通常料金以下で指定席やグリーン席に乗れる場合もあります(笑)
JR九州アプリもしくはサイトからサクッと予約しちゃいましょう(笑)



最後になりましたが、この記事が皆様の参考やお役に立てれば幸いです。
(この記事は2022年6月現在までの個人の乗車経験や駅で車両を実際に見て確認したことで書いています。今後改造やリニューアルをされたりなどで変わる場合がありますのでご注意下さい)

なお、間違いなどがあればコメントやTwitterのブログ記事投稿ツイートにコメントを貰えると実際に確認した後に訂正しますのでよろしくお願い致します。